酒呑みにとって、花粉症の時期は辛いものである。私の実感として、酒は花粉症には絶対的に良くない。呑み始めの一時はいいように感じるが、呑んでるうちにだんだん調子が悪くなり、最後にはかなり酷い状態に陥る。酒が花粉症に良くないのには様々な要因があるが、酒を呑むと体内でアセトアルデヒドという物質がヒスタミンを増加させるかららしい。そんな中、よく耳にするのが『花粉症に効く酒』である。沖縄石垣島の請福酒造(せいふくしゅぞう)の請福ファンシーという泡盛が花粉症に効くと言われたのが、当時私自身が花粉症全盛期であった確か20数年ほど前である。呉羽化学工業の社員が土産に買った請福ファンシーを呑んだら花粉症の症状が軽くなったというのが話の始まりである。何やら統計によると花粉症患者の3分の1は改善がみられたとか。その後、請福酒造は何故花粉症に効くかを研究して実用新案特許を出願したが、抗アレルギーとしての有効成分を特定できないまま1996年の出願以降は研究を中止している。私も当時飲んでみたものの、症状の改善はよくわからなかった。泡盛のような蒸留酒は、元々アセトアルデヒドを体内で生成しにくいから、ヒスタミンが増加することは少なく、ビールや日本酒・赤ワインのようなヒスタミンを多く出す醸造酒を日頃呑んでいる人は症状が改善したように感じたのかもしれない。
私の花粉症は10数年前にほぼ完治した。どうして治ったかといえば、それは年を取って抵抗力がなくなったからなんだろうと思う。鼻水、鼻づまり、くしゃみ、涙は、花粉を体から追いだそうとしている抵抗であり、若い時は抵抗する力があるが、年をとると抵抗力がなくなり、体が花粉を受け入れてしまうのである。これを、ガンジーの無抵抗主義(実際は『非暴力不服従』)という。または、右の頬を打たれれば、左の頬を出すというキリストの教えでもある。ぶって!もっとぶって!という元国会議員の教えでもある。山田花子の『カモ〜ン』……もうええわ!
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